独身貴族のブログ

旅行、食べ物、投資、日々の日常などなど、独身貴族らしく綴ります

           

#69 不動産で節税はできるのか

 

最近旅行や食べ物について書きすぎたので、原点回帰で不動産関連を。
写真も下ネタも無しで行きます。

ブログを始めた当初からですが、読者の方から「不動産をやると節税できるんでしょ?」という質問をよくもらいます。個人所得への増税傾向もあり、どうも僕が思うに、「不動産=資産運用」ではなく「不動産=節税」という概念がより広まってきている様に感じます。本日はこちらについて解説します。

「不動産をやると節税できる」というのをもう少し丁寧に書くと「不動産をやると会社員としての所得と合算でき、結果的に節税できて手取りが増える」ということかと思います。


 端的に答えると、一定の条件を満たすと確かに節税できます。その条件とは、

  1. 個人または個人事業主として不動産を所有すること
  2. 減価償却費などの損失が家賃収入の利益を上回ること

 です。

1は簡単で、法人を設立して不動産を所有すると、単純に税法上勘定が個人の所得と全く別になります。よって、会社員としての所得と合算するためには、個人もしくは個人事業主として所有することが必要になるのです。

ややこしいのは2です。

まず、利益が損失を上回ってしまっては、せっかく合算してもむしろ通算所得が会社員単体でのそれよりも増加することになり、より多くの税金を払うことになってしまいます。よって、この様になる場合は、法人で所有した方が適切ということになります。逆に、損失が利益を上回り収支が赤字になれば、確かに合算した場合に会社員としての所得の一部を相殺し、課される税金は小さくなります。

しかし!忘れてはならないのは、手取りのキャッシュフローまでマイナスになってしまえば、事業としてマイナスに働いてしまい、税金の相殺分を上回ってしまうことになりかねません。ここがポイントです。よって、不動産を節税に用いる場合には「個人で所有した不動産の手取りのキャッシュフローをプラスに保ちつつ、損益のみ赤字にする」ことが必要十分条件になります。

 
そこで登場するのが、魔法の経費とも呼ばれる「減価償却費」です。魔法とは、手取りのキャッシュフローを減らさないのに経費として計上できるところに由来します。

まず、減価償却とは、企業が建物や機械を購入した場合、一旦資産として計上し、法律の定めた耐用年数に応じて規則的に費用化していくことをいいます(後でも出てきますが、最後にはゼロになるわけで、不動産投資では見逃されがちですが重要な点です)。

 法人にて不動産を購入すると、上物が減価償却の対象になります(当然ながら土地は対象外です!)。例えば、木造新築のアパートを一棟購入した場合、法定耐用年数は22年(設備部分は15年とか他にも基準がありますがここでは単純化のため省きます)。建築費を5000万円とすると、単純計算で1年あたり5000/22=227万の減価償却費 = 手取りのキャッシュフローを減らさない損失を計上できるわけです。

 ただし、上の例の様に新築だと当然分母が大きくなり、毎年計上できる減価償却費が少なくなります。逆に、「法定」耐用年数を超えた建物を購入した場合、「会計上」耐用年数は、法定耐用年数x0.2(端数切捨)となります。よって、木造の場合は、22x0.2 = 4年となります。上物を5000万円とすると、1年あたり実に1250万円もの減価償却費を計上できます。つまり、会社員としての年収1250万円分までの税金をゼロにできるのです。

ここで「やったあ!」と思うのは気が早いです。確かに順調にいけばそうなのですが、大きな問題がいくつかあります。

  • 法定耐用年数を過ぎた築古の木造なんて多分5000万円もしない=減価償却できる部分が少なくなる。
  • 5年目以降は減価償却費が計上できなくなり、節税できなくなる。
  • じゃあ4年目で売るか、といっても5年目までは売却時の税金は40%と高額(それ以降は20%)、かつ上物を全部費用化(前に強調した通り)して簿価をゼロにしているので、売却益の計上が避けられない。
  • そして、そんな築古の物件にそもそも銀行の融資が付くのか?(現金で買える人なら別ですが、、、)

 つまり、不動産で節税するためには、

  •  築古だけど上物の値段が高く
  • かつ家賃がそれなりに高くキャッシュフローは回るけど、減価償却を相殺しきってしまわない程度の水準で
  • 売却時の利益をなるべく避け
  • そして融資が付く

そんな物件を探し当てなければならないのです。正直めっちゃ難しいです。

偶に聞くのは、現金をそれなりに持っているお金持ち(=融資をスキップできる)が、敷地が狭いけれど縦に長い鉄骨及び鉄筋コンクリート(=減価償却費を最大限に出せる)物件を購入しているということですが、独身貴族レベルではそんな現金があるはずもありません。

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よって、不動産所有は節税のためではなく、あくまで資産形成目的で、法人にて行うことをオススメします

今回の内容は少し専門的なところもありますので、ご意見ご指摘もお待ちしております。